シュミレーションとしての英語学習
2016/10/31
久しぶりに英字新聞を読みました。TOEICやTOEFLの長文を読んでいるときのあのしんどさが、英字新聞にはありません。
なぜか?
たぶん、ですけど。生の英語に触れているからなのかもしれません。そこに表されているメッセージに触れたい一心で、丁寧に読み進めていく。そして読み進めるほどに、海の向こうで起こっている出来事が、ほんの少し自分に近い存在になっていく。あらゆるニュースは、自分の足元の生活に通じるものがあります。遠い国の出来事を自分の日常に引き寄せながら読み進める楽しさ。こうした面白さ、楽しさが、英文を読むわずらわしさを上回るのです。一方、TOEICやTOEFLは、英文を読むこと自体が目的です。テストの性格上、読み手を試す、読み手に負荷をかけるように作られているため、ある意味、読んでいてしんどいというのは当然かもしれません。
一方、英字新聞の英文はテストのために作られたものではありません。世の中で起こっていることを伝えるための英文です。このリアリティが自分には心地良かったのです。そして、テストのためのテストをずっと受け続けてきたその意味を私は実感しました。リアリティを丁寧に味わうために、テストを使ってそのスキルを磨いてきたのだ、と。
テストの英語、教科書の英語、これらはリアルな社会に出ていくための大量のシュミレーションなのですね。テストでハイスコアを目指すということは、いっぱいいっぱいシュミレーションして、実社会で格闘していく基礎体力を作っている作業なのだと思います。
ロゼッタストーンにせよ、巷の教材にせよ、すべては「予行演習」に過ぎません。リアルな世界の外国語は、予行演習よりもはるかに面白いし、ときにははるかにやっかいかもしれません。中国語、韓国語、ポルトガル語、フランス語、これらについても、いつか出会うリアルな世界を想像しながらもう少し取り組んでいこうと思っています。