英語嫌いの 胸を躍らせる有限会社ラーナーズジム

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受動語彙 雑考

2015/11/19

※受動語彙と能動語彙の動画はこちら

日本語のボキャブラリーを増やすにはどうすればよいのでしょうか?

一番着実なのは、覚えたボキャブラリーをなるべくすぐに使ってみることでしょうね。でも、難しい四字熟語を覚えたからといって、使える場面にすぐに出くわすわけではありません。それに、使わなくても済むところにわざわざ難しい語彙を使うのは、受け取る相手に違和感を与えてしまいそうです。

覚えたボキャブラリーをすぐに使う機会がないとなると、せっかく仕込んだものも、ずっと自分の中で寝かせ続けなければならないということになります。

結局は、知的好奇心の赴くままに、読書を重ね、自分の中に蓄積されていくのをただただ待っているしかないのかもしれません。そして、何かを伝えるとき、その蓄積の片鱗が、ちょっとしたスパイスのように効いてくるのかもしれません。

このあたり、英語の語彙増強に似ています。英単語も本当は覚えたらすぐに使うのが一番の記憶術なのでしょうけれど、そういう環境にいる方は本当に少ないはずです。多くの方は、覚えた語彙をいつ使うかもわからずに、TOEIC対策や将来の英語力準備のために、コツコツ自分の中にため込むことを続けています。

そして、すぐに使うこともないため、いつも”忘れてしまう”不安が付きまとうことになります。

”使わないと身につかない”、”使わないと忘れる”、という不安をやりすごすために、ひとつのキーワードを持っておくとよいかもしれません。”受動語彙”という考え方です。そもそも、”使わないと身につかない”とか”使わないと忘れる”というのは、”能動語彙”という考え方がベースです。”能動語彙”とは、発信するのに必要なボキャブラリーを意味します。一方、受動語彙とは、モノを読んだり、聞いたりするときの理解のベースになるボキャブラリーをさしています。

たとえば、日本語において、臥薪嘗胆やら鶏口牛後を知っていても、ほとんどそれらを使って何かを話すような機会には出会えません。こうした四字熟語は、能動語彙としての活躍より、”読むときに必要な”受動語彙としての活躍の場が多いのかもしれません。

発信機会が多い人以外は、日本語であれ英語であれ、ボキャブラリーは受動語彙をコツコツと溜めこんでいくのが王道なのかもしれません。それでも、いつか、何らかの形で発信が必要となったときに、ため込んでいた受動語彙が能動語彙に変わることもあるかもしれません。

能動語彙は、発信と結びついているから身に付きやすい一方、受動語彙は受信時に役立つものなので、なかなかスキルとして表在化しにくい特質をもっています。しかし、身に着けるのに時間がかかるもの、なかなか表舞台に出てこないからこそ、受動語彙を身に着ける意義や価値があるようにも思います。日本語においても、立て板に水のようなプレゼンも素敵ですが、静かなたたずまいで傾聴してくれる姿勢に心打たれることだってあるはずです。当然ながら潤沢な受動語彙があってこそ、相手の発言を理解し、そこから想像を膨らませることもできるのです。

英語力というと、能動語彙をベースとした英会話力が注目されがちですが、潤沢な受動語彙を使って、相手の話を傾聴したり、英文書の行間を読み取るようなスキルも大切にあつかいたいと私は思います。